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「文京区医師会多職種ネット」運用ポリシー <暫定版>
(本ポリシーの目的)
第1条 この運用ポリシーは、「文京区医師会 多職種連携ネットワーク構築事業」 (以下、文京区医師会多職種ネットと略)において、使用されるICT システム、機器及び運用に必要な仕組み全般について、その取扱い及び管理に関する事項を定め、文京区医師会多職種ネットの適正利用に資することを目的とする。
(文京区医師会多職種ネットの目的)
第2条 文京区医師会多職種ネットの目的は、地域包括ケアに関わる多職種及び患者・家族の間で、ICT を用いたコミュニケーションを行うことで、人と人の連携を深め、地域の医療・看護・介護の質を向上させ、安全性を高め、最終的には、地域包括ケアシステムの構築と発展に貢献することである。
(使用ICT システム)
第3条 文京区医師会多職種ネットでは、ICT システムとして、(株)日本エンブレースが運営する完全非公開型医療介護専用SNS「メディカルケアステーション」(以下、MCS と略)を使用する。
(文京区医師会多職種ネットの位置付け)
第4条 文京区医師会多職種ネットはコミュニケーションのための連絡手段であり、診療・看護・介護等の記録ではない。
文京区医師会多職種ネットは、「顔の見える関係」を基盤とした上で、従来の連絡手段を補完・補強する形で利用する。
(他の連絡手段との使い分け)
第5条 状況に応じて、電話、FAX、面談など他の連絡手段との使い分けや併用を行う。特に、緊急の用件では、文京区医師会多職種ネットのみの連絡は行わないで、電話を利用する。
(運営)
第6条 文京区医師会多職種ネットの運営は、一般社団法人文京区医師会内部に置く「文京区医師会多職種ネット運営委員会」が行う。
(事務局)
第7条 文京区医師会多職種ネット事務局は、一般社団法人文京区医師会事務局内部に置く。
(利用の対象者)
第8条 1)文京区内の地域包括ケアに関係する施設・組織に属する者。
2)1)文京区内の利用者が地域包括ケアを行う上で関わりがある文京区外の地域包括ケアに関係する施設・組織に属する者。
(法令及びガイドライン)
第9条 利用者は、刑法、保健師助産師看護師法、個人情報保護法等の各種法令を遵守し、以下のガイドライン
を十分理解したうえで、文京区医師会多職種ネットを利用することとする。
・厚生労働省 医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン 最新版
・厚生労働省 医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 最新版
・一般社団法人保健医療福祉情報安全管理適合性評価協会 医療情報連携において、SNS を利用する際に気を付けるべき事項 最新版
(目的外使用の禁止)
第10 条 文京区医師会多職種ネットを本運用ポリシーで定めた目的以外に使用することを禁止する。
(利用者への注意、指導)
第11 条 文京区医師会多職種ネット運営委員会は、本運用ポリシー、法令及び公序良俗等に反する利用をしたと判断した利
用者に対し、注意や指導を行うことができる。
(利用申し込み)
第12 条 1)新たに文京区医師会多職種ネットを利用する施設又は組織は、文京区医師会多職種ネット事務局に対して「利用申込書(兼施設又は組織誓約書)」を提出し、利用施設及び利用者の登録を行う。
2)既に利用施設として登録済みの施設又は組織が、従事者の追加登録や削除を行う場合は、施設又は組織の管理者が行い、その後、追加登録や削除を行った従事者を、文京区医師会多職種ネット事務局へ通知する。(従事者登録変更通知書)
3)利用者は、文京区医師会多職種ネット講習会を受講、講習会のビデオを視聴する等の必要がある。
(文京区医師会多職種ネット管理者の設置)
第13 条 利用施設又は組織の長は、文京区医師会多職種ネット管理者を設置し、文京区医師会多職種ネットの適正な管理運用を行う。
(文京区医師会多職種ネット管理者の責務)
第14 条 1)文京区医師会多職種ネット管理者は、従事者が、本運用ポリシー、法令、ガイドライン等に従い、適正に使用するように管理運用を行う。
2)以下の業務を行う。
・文京区医師会多職種ネットの管理台帳を作成し、利用者を管理する。
・文京区医師会多職種ネットの患者情報、個人情報等のセキュリティ管理全般
・文京区医師会多職種ネットで利用するIT 機器管理
・文京区医師会多職種ネットのID 管理
・文京区医師会多職種ネットへの施設内ユーザー登録及び削除、その内容の文京区医師会多職種ネット事務局への通知
・文京区医師会多職種ネットに関わるトラブルの文京区医師会多職種ネット事務局への連絡
(スタッフ誓約書と教育)
第15 条 施設又は組織の長は、文京区医師会多職種ネットを利用する従事者と個人情報保護に関する誓約書を交わすとともに、文京区医師会多職種ネット管理者及び利用者に対して定期的に教育を行うこと。なお、既に個人情報保護に関する誓約書を取り交わしている場合は、省略できるものとする。
従事者誓約書の記載内容のポイントは以下のとおりである。(従事者誓約書・・・別紙様式4)
1)従事者は、就業規則やマニュアルなどの諸規定を遵守し、患者等の個人情報のみならず、事業所内で知り得た業務に関連する一切の情報をも許可なく漏えいしてはならない。
2)退職後も知り得た情報を漏えいしない。
3)IT 機器について、適切な取扱い及び管理を行う。
4)事業者が定めた利用目的外での使用を禁止する。
5)患者その他の第三者のプライバシーその他の権利を侵害するような行為を一切しない。
(MCS の管理 - 患者タイムライン)
第16 条 1)患者タイムラインでは、一人一人の患者に関して、地域包括ケアを行う上で必要な患者個人情報を含む多職種間のコミュニケーションを行う。
2)患者タイムラインの管理(設置、参加する多職種の登録・削除など)は、主治医又は主治医の指示を受けた多職種が行う。
3)患者タイムラインに、全ての患者を登録する必要はない。
4)当該患者の地域包括ケアに関係しており、信頼関係の確立している多職種のみを参加させる。
5)任意で、患者・家族参加のタイムラインを設置できる。
6)患者が死亡した場合は、管理者が適切な時期に、患者タイムラインを保管リストへ移動する。
7)患者・家族から、患者タイムラインの内容の完全削除の希望があった場合は、運営会社に削除を依頼する。
8)患者タイムラインの具体的な使い方に関しては、管理者を中心に、参加者の間で、事前に、取り決めをしておくことが望ましい。
(MCS の管理 - 自由グループ)
第17 条 1)自由グループでは、地域の多職種間の情報交換・交流を行う。
2)自由グループでは、患者の個人情報は扱わない。
3)自由グループの管理(設置、参加者の登録・削除など)は、職種の制限なく、自由に行うことができる。
4)自由グループの管理者は、そのグループの趣旨・使い方などを、参加者に伝える。
5)自由グループの管理者は、グループを、運用ポリシー、法令、公序良俗に反しないように、適正に管理する。
(MCS の管理 - つながり)
第18 条 1)つながりでは、1対1のメッセージのやりとりを行う。
2)つながりで、患者個人情報を扱う場合は、情報漏洩に十分な配慮を行う。
(患者の同意取得)
第19 条 患 者タイムライン又はつながりにおいて、患者の個人情報をやりとりする場合は、主治医又は主治医の指示を受けた多職種が、患者もしくはその家族から「患者同 意書」を取得し、保管するとともに、そのコピーを、患者もしくはその家族に渡す。(既に患者と同意を交わして文京区医師会多職種ネットを活用している場合 この限りではない) (患者同意書)
例外として、患 者タイムラインが設置されていない状態では、主治医以外の多職種が、患者もしくはその家族から「患者同意書」を取得した上で、「つながり」だけを使って、 患者の個人情報を他の多職種とやりとりすることも可能とするが、なるべく早く、患者タイムラインの設置を目指すようにする。
(文京区医師会多職種ネット利用上の留意事項)
第20 条 文京区医師会多職種ネット管理者及び利用者は、「文京区医師会多職種ネット利用上の留意事項」に留意して、文京区医師会多職種ネットを利用する。
(ID・パスワードの管理)
第21 条 文京区医師会多職種ネットのID 及びパスワードについては、以下の事項により管理することを推奨する。
1)パスワードは、人目にふれないように細心の注意を払ってユーザー個人が管理する
2)1つのID を複数人で共有しない。
3)パスワードは、英数混合8ケタ以上とし、定期的(数か月に1回)に必ず変更する。
4)パスワードは、システム上に保存しない。
5)利用が終わった場合や利用端末から離れる場合は、必ずログアウトする。
6)スマートフォンやタブレット端末機器、パソコンなど、利用するすべての端末には起動時のロックをかける。
(IT 機器のセキュリティ対策)
第22 条 1)IT 機器のセキュリティ対策については、「文京区医師会多職種ネット利用上の留意事項」に従い、管理することを推奨する。
2)モバイル端末は、「厚生労働省 医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 6.9 情報及び情報機器の持ち出しについて」の内容に従った管理を行う。
3)個人所有端末の使用許可は、各施設又は組織の判断に任せるが、できるだけ、業務用端末の支給に努める。もし、個人所有端末の使用を許可する場合は、必ず、上記2)の内容に従った管理を行う。
(内容の二次利用の原則禁止)
第23 条 1)文京区医師会多職種ネットの内容(テキスト、画像、各種ファイル等)の二次利用(利用端末にダウンロードする、コピーする、印刷するなど)は原則として禁止する。ただし、患者の地域包括ケアのために直接利用する目的(文京区医師会多職種ネットの 内容を診療・看護・介護記録に残す、施設の他の従事者に伝える、患者・家族への説明に使うなど)の場合は、その内容の提供者が許可すれば、二次利用し ても良い。その場合でも、他の施設からの情報提供書などの文書などの内容は、二次利用を禁止する。事前に参加者の間で、二次利用に関する取り決めをして おくことが望ましい。
2)文京区医師会多職種ネットの内容を、患者の地域包括ケアに直接関係しない目的(勉強会・学会発表など)で使用する場合は、患者タイムラインの管理者及び内容提供者の許可を得た上で、患者や内容提供者の個人情報が漏洩しないように、抜粋や加工を行うなど、十分な配慮を行う。
(掲載内容の配慮)
第24 条 1)患者・家族の体や家屋などを撮影する場合は、その都度、同意を得る。
2)他の施設から提供された情報提供書などの文書は、必要な部分のみを掲載する。その文書の提供元である施設が、文京区医師会多職種ネットへの文書の掲載を許可しない方針である場合は、それに従う。
(文京区医師会多職種ネット施設管理者連絡網)
第25 条 MCS に、「文京区医師会多職種ネット施設管理者」グループを作成して、運営委員会及び事務局からの通知用に用いる。
(文京区医師会多職種ネットホームページ)
第26 条 1)文京区医師会多職種ネットホームページを作成し、文京区医師会多職種ネット利用者に対し情報を提供する。
また、文京区医師会多職種ネット利用施設のリストを掲載する。
2)文京区医師会多職種ネット利用者専用ホームページを作成し、利用者だけに情報を提供する。また、利用施設及び利用者のリスト、掲載を希望する自由グループの情報等を掲載する。
(災害時連絡手段としての活用)
第27 条 災害時には、人の生命の保護を優先する観点から、「文京区医師会多職種ネット」を災害時連絡手段として利用するために、各施設の管理台帳に記載していない端末の使用を特別に許可する
(その他)
第28 条 その他、この規程の実施に関し必要な事項がある場合は、施設又は組織がこれを別に定めることができる。
附則
1.この規程は平成28 年12月1日から施行する